選択式より御題SSS(ジャンル雑多) / アンナアベル (20110223〜飽きるまで)
優しい優しい嘘吐きさん。さようなら。どうか、お元気で。
貴方の与えてくれた優しい嘘に最後まで騙された振りをしようと 想います。
月に帰りたくなどないのです(望美と弁慶 20110228)
いくつもの夜を知っている。長い時と共に訪れる夜は怒りに震えるものもあれば無音と共に流れるそれもあった。無情なまでに美しい夜も あった。私は貴方の知らないいくつもの夜の顔を知っている。けれども、貴方の瞳は私の知らない夜を映している。そこに私はいるのだろうか。幾億の星々の瞬きすらも飲み込んでしまうような美しい瞳は誰の為にあるのだろう。
祈ることが赦されるのなら、どうかと 願わくば。
星と戯れ(玉藻と鵺野 20110228)
兄様がいてくれたら何もいらない。何も欲しくない。遠いようでいて、そんなに遠くない昔、ずっと一緒にいてねって交わした約束は叶ったのかな。わからない。わからないけど、あの頃のように寄り添うことはもうないんだろうなぁって理解してる。だって、どんなに願ってもあの頃の兄様は何処にもいないんだもの。きっとね、兄様は忘れてしまっているね。あの日の小さな約束事なんて多忙な日常の影に埋没して二度と想い出すこともないんだろう。俺にとっては一番大切な想い出でも兄様にとっては忌まわしいそれでしかないのかもしれないんだから。寂しいけれど仕方ないよね。兄様と俺に流れる時間のずれを止めることなんて出来やしなくて、それは日を追うごとに喰い違うばかりで修正すら出来なくなってしまったんだから。強くて優しかった兄様。ねぇ 兄様。例え、兄様があの日の俺達を忘れてしまっても、いらないと切り捨てたとしても。優しかったあの日の世界は、今もなお俺の中で息づいているんだよ。(逢いたいな。一緒にいるだけじゃ嫌なんだ。叶うのならあの頃の兄様に逢いたい。あの頃の兄様と一緒に いたかった。)
加速する世界(瀬人とモクバ 20110224)
音も視界も苦しみも全てを奪い尽くす雪を美しいと云う ならば。白銀の世界で穏やかに微笑む女に巣食う痛みは、あの雪に 奪われたのだろうか。(あるいは、あの雪が女の傷を隠すの だろうか)
冬に囚われ(泰衡と望美 20110224)
あっという間。あっという間に終わってしまった夢のような時間。あいつには帰る場所があって、それはここじゃないんだってこと認めたくなんてなかった。引きとめても無駄だって知ってる。知ってるけど、やっぱり離れがたいのな。明日も、明後日も隣にいて欲しい。あいつの声を聞いていたいよ。でも、あいつには待っている人がいる。あいつの居場所はここじゃない。ここじゃないんだ。諦めたくないし諦める気もないけど、時に諦めも必要なんだって最後の最後まで教えられた気分だな。(どんなに足掻こうが、どうにもならないことなんて世の中には溢れかえってるけど さ。)今度はさ、俺がお前に逢いに行くよ。ヘタレは治らないだろうけど、少しはましな男になって全てからお前を奪いに行く。だから、その時まで。またな、相棒。(なぁ 相棒。今更だけど好きだって云ったら、お前 笑うか?)
春に失望(花村と主人公 20110224)
「馬鹿野郎」って。俺様の為に本気で怒ってくれるロイド君が好きで、俺様の心配をする優しいロイド君が好きでした。俺様の屍にしがみ付き泣きじゃくるロイド君。今更ですが、俺はお前に愛されていたのだと勘違いをしても いいのでしょうか?
醜い亡骸を それでも(ゼロスとロイド 20110224)
倖せを願ったことはない。でもね、あんたの破滅も願えなかったよ。どんな形であれ、生きていてくれればそれだけでよかった。それだけで よかったのにな。きっと面と向かって告げたらこんな結末を迎えることはなかったかもしれないねって、今更悔むのは卑怯だね。だから何も云わない。何も云ってなんてやらない。馬鹿だね。俺も あんたも。(愛せなかったんじゃないよ。愛さなかったの。愛しいから愛したくなんて なかったの。)
僕が愛せなかったもの(創作 20110224)
星の流れる夜だった。瞬き澄んだ星空は美しく、あの星と共に世界も消えてしまえばお前一人に罪を背負わせることもなかっただろう。そう、愚かにも願ってしまうほどの静寂に支配された世界でお前は何を考えているのだろう?穏やかな微笑を浮かべながら、流れた星を追いかけるように消滅を決意したルークが歌を口ずさむ。少しだけ外れた旋律はそれでも、身震いするほどに美しくどうしようにも泣きたくなった。なぁ ルーク。こんな風に月夜の美しい夜を迎えるたびに、あの日のお前を鮮明に想い出すよ。あの時お前が歌った歌の意味を今でも俺は 考えている。
君が奏でた歌の意味を知らない(ガイとルーク 20110224)
この 夜空、貴方の好きな雲が見えません。
寂しいと、月が 泣いているようです。(あなたにあいたいとふるえるしんぞう みたいに。)
刹那の逢瀬(修兵と要 20110223)
ありがとう。さようなら。大好きだったよ。陳腐な言葉しか想いつかないけれども、嗚呼、でもね。祈っています。
どうか。世界が 潤也にとって優しいものでありますように。愛しいものであるのだと 想えますように。
俺の愛した世界で、どうか、いつまでも倖せでありますように。おやすみなさい。潤也。消灯ですよ。
終焉日和(安藤兄弟 20110223)
僕の望みはきっと貴方を傷つける。それでも 願わせて欲しいんだ。ねぇ 兄さん。僕の声が聞こえているのなら、届いているのなら約束して欲しい。兄さんは兄さんの為に生きて欲しいんだ。僕に囚われるのは もう やめて。貴方がどんなに僕を想っても僕は貴方に何も返してあげられない。貴方の想いに答えることは出来ないんだよ。ねぇ 兄さん。僕は知ってる。どれだけ貴方が傷つき苦しんだかを。どれだけ孤独と戦っていたのかを。兄さんは信じないかもしれないけど、兄さんが嫌悪した無慈悲な世界は優しいんだってこともね。貴方が貴方の為に笑ってくれたらきっと世界は貴方を赦すよ。だからね お願い。僕に逃げないで貴方は貴方の為に生きて。それが僕が兄さんに与えてあげられる精一杯の 赦しで懺悔。(ごめんね。あなたからなにもかもをうばったぼくはあなたのみらいをいのることしかできないけれども、それでもぼくはあなたをあいしています。あなたのしあわせを 願っているのです。)
灰になったぼくのからだを愛さないでください(エドとアル/アル消滅前提 20110223)
あの馬鹿。なんだかんだで散々人のことを振り回したと想えば泣きついて気まぐれに甘えたり。我儘ばかりいってあんまり他人様を困らせるなよ。って、気づけば、なんで俺が自分勝手の馬鹿の世話ばかりか尻拭いまでもをしなくちゃいけないのか。いい加減にしろって怒っても「なんで」ってとぼけた面すんなよ。「なんで」ってお前。俺はお前の母ちゃんでも彼女でもねぇっての!そこ分かってるのか あの馬鹿朝桐は!って!また 云ったそばから無茶云いやがって!世界はお前を中心に回ってるわけじゃねぇってことを理解してくれ!まったく、こいつには呆れてものが云えねぇよ。ったく仕方ねぇな おい バカ桐!
(結局のこと、あの馬鹿に付き合う自分が一番の馬鹿野郎だって自覚は・・・まぁ。悔しいことに一応は あるわけで。)
僕等の真実を ひとつ(瀬下とバカ桐 20110223)
知らない振りはいつまで赦されるのでしょう。気づかない振りをいつになったら終わらせることが出来るのでしょう。
あの人が私を待っていてくれる保証は何処にもありはしないのに、あの人の優しさに甘えて付け込んだ卑怯な私は永遠と答えを先延ばしにしようとするのです。そして、いつの日か、きっと。取り消しのつかない後悔をする。なのに、あの人の微笑みが私を臆病者にしてしまうのです。あの人の言葉がどうしようにもない私を愚かな弱虫にしてしまうの です。
知らないままでいたほうが倖せだったのでしょうか(妙と近藤 20220223)
あんたに逢えてよかっただなんて想える日が来るなんて 世も末。
だって、そうじゃなきゃ説明つかないわ。
あんたに壊されようとしているのにあんたに抱いた愛しさが消えてくれないだ なんて。そんなこと。
(愛しい苦しい恋しい愛しい痛い痛い痛い苦しい愛しい愛しい いとしい アレイスター あんただけが 愛 し い)
さようならのさきにあったものおわりのむこうにみえたもの(クロとエリアーデ 20110223)
辺り一面 焼け野が原。
響く時の声に、私は、私の終焉を 知る。
焼けつくような痛みが私と私の影を地面に縫いつけ、微動だを許さぬ眼球からは溢れた涙がポタリと おちた。
そうしてあの日は終わりを告げました(菊/終戦 20110223)
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