お前だから欲しかったんだよ。お前だからいつから求めてしまったのかなんて分らないくらい求めすぎてしまったんだよ。だからかな。もしかしたらこれが道を外したことを理解していながら、それでも止めることの出来なかった俺にあの人が与えた罰であるのかもしれないなと想ってしまったのは。そうであって欲しいと願ってしまったのは。求めるままに手を伸ばして、しがみ付こうとしながらも結局のこと手に入れることなんて出来やしなかったお前という存在に出逢えたことだけでもきっと倖せだったのだろう。求めることを破棄した俺に与えられた執着がなした色はあまりにも美しすぎて倖せすぎたのだろう。それに気づけただけでもこんなにも満たされているのだからこれ以上を求めるなんざただの強欲だ。十分すぎるってあの人が采配したんだろう?なら、喜んでそれを受け入れるさ。天罰を待っていたのだから今更死ぬことに後悔はねぇよ。ただ ひとつだけ我侭を云っていいのなら。未練を告げていいのなら。この唇でお前の名を紡げなくなることが 淋しいだけだ。
あいはどこへ(といきとともにあなたもきえるのですか)(20100221)
*情景描写皆無の死ネタで失礼しました。不親切極まりないですが、どうぞ妄想を膨らませて下さいませ。
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