そんなに驚かなくてもいいじゃん。別にとって喰おうっ魂胆はねぇんだから素直になりゃあいいってのによ。何度も云うけど今回ばかりは下心はねぇの。一種のボランティアだよ ボランティア。いつもみたいに笑っていても空元気で相当煮詰まっているのが分るっつぅの。嗚呼やだね馬鹿は。嘘が上手いくせしてこんな所だけ下手糞でよってか多分誰も気づいちゃあいないんだろうな。ゴリラの嘘が下手糞なんじゃなくて一目見ただけであいつの些細な変化を感じ取れちゃう銀さんがエスパー並みに敏感すぎるのかもしれないんだろうけどね。どんだけ惚れこんでんのって自分で自分にいい加減霹靂もするわ。それでも好きなものは好きままなんだろうけどさ。で、だ。若干話がそれたけど、泣きたい癖して泣けない誰かさんの為に珍しく銀さんが泣ける場所を提供してやってるってのにそんなに構えなくてもいいじゃんよ。人の好意を無碍にするんじゃありませんって教わらなかったのかっての。そんな困ったような顔されるとこっちの方が困るっつうか地味に傷つくわ。ったく あのゴリラは中途半端に野生の血を引いてるせいか妙なところで敏感なくせして肝心なところはまるで鈍感でよ。銀さんの逞しい胸に頭を預けるような格好しているくせに今更体面とか気にしても遅いっての。何だって素直じゃないのね このゴリラは。いつも甘やかしてばかりなんだからたまには破目外すくらいに甘えりゃあいいんだよ。お前の為ならいくらでも腕でも胸でも何でも貸してやらぁ。抱えきれないほどに有り余る銀さんの愛で窒息するくらいに抱きしめてやるよ。だからよ 近藤。俺はああだこうだ云うつもりはねぇよ。多分そんなことしたってお前にとっちゃあ寝耳に水なんだろうしね。ってなわけでよ、素直になれないお前の為に特別にモテモテな銀さんを独占出来る権利を与えてやるよ。拒絶は赦さねぇよ。返品不可能です。何だかんだでこじつけて有耶無耶にしようって魂胆も通用しねぇからお前が銀さんに素直に甘えるまではこの手を離すつもりはねぇので 近藤さんよ覚悟しときなよ?(つまんねぇ見栄くらい捨てようぜ。誰にだってよ こんな風に誰かに甘えられる日があってもいいんじゃねぇのかなって銀さん想うわけよ。ってかそれを教えてくれたお前に伝えてやりたいだけだっての。美女じゃなくゴリラ相手ってところが泣けるけどそれもそれでいいんじゃねぇの?兎にも角にもあまんまりにも一途過ぎて自分自身に涙が出そうだけどな!)





その優しさが 泣かされるぐらいずるいよ(この腕で抱え込めるだけのちっぽけな世界をお前の為だけに あげたいんだよ)(20100312)
*「あったくていとしいよ」の後日談のような逆バージョンのような 話