お前の抱く正義を噛み砕きたくなる。いくら正義を掲げ続けたところで、最早お前は綺麗ではないのだよと身をもって示したくもなるのだよ スグル。お前は眩しすぎてしまった。光を浴びすぎて色濃くなった影に気づけないほどにお前は正しすぎて優しすぎてしまった。疑うことを知らぬ一点の曇りのない瞳が脅威であることに何故気づけない。その笑みによって誰もが抱く誇りや信念をいとも簡単に塗り替えさせるばかりか、お前と云う存在に惑わされ支配される命運を運命付けられた我々の感情を何故理解しない。スグル 誰もがお前を救いの光だと称えるが、本当のお前は光でもなければ影ですらないことを自覚しなければならない。影響力を発揮した時点で正義や善とは程遠い悪意であることを認めなければならないのだよ。それでも、現実から逃避しようと瞳を瞑ったところでお前は変わらずに美しく輝き続けるのだろう。故に、お前の正義は悪意であることを自覚しなければならない。偽りを演じるピエロであり続けることに終止符を打たなければならない。スグル 私の声が聞こえるのならば恐れずに瞳を開けてごらん。何が見える?何が聞こえる?手を伸ばしてごらん。偽りを演じ続けるお前は一体何に触れることが出来る?支配者たるお前が一体何を求めることが出来る?誰も助言をしないのなら、他ならぬ私が断言しよう。スグル 伸ばした指先ではお前はお前の愛する光は掴めやしない。見開いた眼球で現実を見つめてごらん。お前が望む正義はお前が望めば望むほどにこんなにも 遠ざかるばかりなのだから。
正しい世界の綻び を(皮肉なことに正義を背負う筈の君こそが一番の不正義で あるのです)(20100314)
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