里を捨てたサスケ君の傍にい続けることが出来たなら何かが変わっていたのかもしれないねって傲慢さを振り翳して可能性にしがみ付こうとしたかつての自分を想い返す時、決まって胸を締め付けられるような狂おしさに襲われる。それは、形振り構わずサスケ君を追いかけようとした私のずるさで、泣き喚きながらも結局踏み出すことさえ出来ずにサスケ君の幻影を求めていた私の弱さなんだって気づいてしまったから。それでも「もしも あの時」と願ってしまう甘えを殺しきれない私の隣であんたは笑い続けてくれたわね。ねぇ ナルト。私 知ってたわ。ずっとずっと気づいてた。本当は私があんたを甘やかせてあげたかったのに甘えてはいたのは 私。重荷になっていたのはいつだって約束を追いかけて強くなるあんたを見つめ続けながらも何も変われなかった、強くすらなれなかった私なのね。ねぇ ナルト。だからなのよね 淋しがりやのあんたがそれでも無理してあんたが笑い続けるのは きっと私が弱かったせいなのよね。(ごめんね。ありがとう。いつでもあんたはあったかくて、そんなあんたくれた精一杯の嘘の笑顔にずっとずっと 救われ続けたわ)





抱きしめた 温度(20100314)