愛しいって感情は何処から生まれるのか知ってるか?親から受ける無償の愛とやらとは無縁に近かった俺には、少なくともそんなお優しい世界で生きる時間が少なかった俺には、はなから答える術をもちあわせていねぇから赤ちゃんは何処からやってくれるのかって質問する餓鬼にコウノトリが運んでくるんだよって答えるそんな御伽噺めいた優しい回答を求めているのかもしんないね。捻くれた小難しい禅問答はいらねぇけどシンプルでなおかつ綺麗な答えなら欲しいなって想うワケよ。あの人が生きていたら何と答えたんだろうかと思案することはあっても恰好ばかりが大人となってしまった今となっては聞けやしないことは数多にあって、冒頭の質問もそんな中の一つなんだろうなと漠然と思案に耽っていたいたところに、これまた都合よくゴリラが現れるもんだから固く結んだ口元が綻んでしょうがないって奴だよねと自問自答することの情けなさといったら!(ってか何であのゴリラはいつも都合のいい時を狙ってやってくるんだ?タイミングがいいのか、あるいは何?考えたくないけどまさか銀さんが待ち伏せとかしてんの?え?でもまか・・でもでも、今日も見回りの途中で遭遇って都合の良すぎも良すぎで出来過ぎじゃん。え?じゃあ何?認めたくないけど俺ってば無意識にあいつの見回りのパターンとかを把握していたりするわけ?マジですか?誰か否定してよ!え・・ちょっと どんだけあいつのこと見てんの!どんだけあのゴリラと接点持ちたがってんの!最近やたら逢う回数が多いなとは想ってたけど待ち伏せしてんなら納得いきすぎでしょうが!みんなの銀さんがいつからたったひとりの為の銀さんでありたいだなんて想うようになっていたのかなんて、そんな馬鹿な!あり得ないでしょうに!そんな 馬鹿すぎることっ!)でも!でも!でもっ!あいつを想うだけで見かけるだけで心臓があったかいんだよ。嫌になるくらい鬱陶しくなるくらいに心臓が早鐘を打つんだよ。何にもしてないのに与えられる安らぎに救われるんだよ。その無防備な優しさに心音委ねたいだなんて想うんだよ。愛しいだなんて感情が何処から生まれるかなんてそんなのわかんねぇけど、銀さん 鈍くはないからね。わかんねぇのはわかんねぇなりに少なくともこれが愛しいって感情なんだってことぐらいは分かってる。分かっているつもりなんだよ。だから、だからさ。近藤 人助けのつもりで教えてくれよ。この想いの生まれる在り処を銀さんの不安定な心臓に指し示しみてよ。そんでもって出来るならお前の世界に 沈ませて。(二度と浮遊出来ないように雁字搦めに俺を縛り付けてお前だけのものにさせてよ。お前の傍にいられるのなら銀さんね我侭だって我慢するし甘いものも多少は控える努力をするよ。いっそ窒息だろうが水没だろうが何でもしてもいい。言葉にすれば薄っぺらすぎてきっとお前は信用せずに笑って斬り捨てるだろうけどねそれくらいに真剣なの。それくらいにお前が好きなんだよ。鬱陶しがられても呆れられても愛しいって気持ちとお前自身と離れたくなんてねぇなんて一方通行すぎる欲望だけど、それって紛れもない愛だよね?愛と呼べるよね?だからさ、近藤 この愛って感情が生まれる場所を不完全な銀さんに教えてよ。そしたらきっと淀んだこの世界ですら少しばかりは美しく 輝くよ。)
愛と呼べるよね?(否定を肯定と名付けさせてね)(20100327)
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