どんなに無様でどんなに恰好悪くてもいいんだ。長い長い月日を共に過ごしてきたんだから、今更取り繕ったところで俺のいいところも悪いところもお前は受け入れてくれるだろう?どんな馬鹿やったって呆れながらもお前なら笑って全てを赦してくれるだろう?それどころか痛みや傷ですらお前となら共有出来る。腐りかけた生傷だってお前に晒すことが出来るんだ。アル。可哀想な、アル。優しいお前なら愚かな兄が奪ったあの日の罪ですら慈しんでくれるだろう?慈悲深いお前なら傷つけられる無遠慮な言葉ですら甘受してくれるだろう?俺はお前がいないと生きていけない自信がある。お前と共に在れるから戦えて、お前を守りたいから強くなれるんだ。だから。だから、お願いだから卑怯な兄を聞いて欲しい。どうか結んだ指を離さないでと願わせて。お前がいてくれれば。お前だけがいてくれれば俺の世界は倖福に満たされるんだよ。だ、なんて嘯いて、結局は全てを手に入れたくて仕方のない男の束縛ほど生温いエゴは存在しないんだろう。それでも膨れ上がる欲求は留まることを知らず零れる吐息ごと奪ってしまいたいと願ってしまのだから もう どうしようにもないよ。寝ても覚めてもお前のことを考える。お前のことを考えない時間なんてないくらいにお前のことしか見えないよ。嗚呼、アル。アル お前がいないと気がふれちまう。お前がいなきゃ理性なんて簡単に手放せるし人間だってやめてしまえる。それくらいにお前しか見えないしお前しかいらないんだ。盲目するぎる執着がどこに行き着くのかなんて興味もないよ。今更人目なんてどうでもいい。ただお前がいてくれれば。アル、お前が笑って俺の名を 呼んでくれるのなら。それだけで、それだけでも もう。エゴのまま世界を滅ぼしたってお前が傍にいてくれるのなら俺は笑えるしお前が差し伸べる手がある限り俺は生きていけるよ。世界に根をはるのはお前と俺の二人だけでいい。なぁ アル。そんな俺には愛しか知らないし見えないよ。お前を愛する欲求以上の至福なんて知らないし いらない。なぁ アル、アル。愛しています。求めるのはお前だけです。お願いだから息絶える瞬間まで傍にいてくれませんか。情けない兄のこの愛をどうか受け取っては くれませんか?
同等の感情で俺を愛して くれませんか?(20100622)
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