悪魔を愛した吸血鬼。
悪魔に愛された 吸血鬼。
異種と異端。美談のままで終われたらきっと旦那達は倖せだったろうね。なんたって、愛する人と二人だけの世界で生きてゆけたんだから。そう!例えばの話、ハッピーエンドで終わる物語のように ね。これが物語であったら旦那達は存在することを赦されたのかもしれないけど、お生憎さま。ここは現実。旦那は愛しい悪魔の血を飲んで二人の世界は消滅した。美味しかったかい?愛した悪魔の血の味は。重たかったかい?愛した女より得た命の 糧は。そんな顔をするなよ。余計に苛めたくなるだろう?俺はさ ただ知りたいだけなの。悪魔の愛は永遠になったけど旦那の愛は 終わったか。それとも、美しい想い出となって旦那の中で生き続けると嘯くのかさ。どうにも世の中、大いに狂ってるからひとつぐらい美しい愛の形があってもよかったと想うんだけど。まぁ 終わってしまたことを今更蒸し返したところで、旦那の傷を抉るぐらいで他には対して変わりはしないんだろうけどさ。ねぇ 旦那。俺はそんなもん信じちゃいないけど、運命とやらは皮肉だね。吸血鬼と悪魔。巡り合わせが悪かったのか、あるいはイノセンスに選ばれる前から定まっていたのか。ただ、旦那は倖せになりたかっただけなのに、ささやかなそれを望んだだけなのに神様に踊らされてしまったわけだからね。結局のこと、どの道を辿ろうとも異端には異端に相応しい断罪しか待ってなかったのかもしれないけどね。あ〜あ。泣かないでよ旦那。旦那のことが好きだから旦那の知りたかっただけなんだってば。なのにそんな顔して、そんな風に煽って!本当、苛めがいがあるね 旦那は。たまらなくそそられるよ。綺麗だね。綺麗で綺麗でもっと泣かしたくなるな。俺さ、泣いてる旦那が一番好きだよ。
ねぇ 世界に裏切られても世界を憎めない旦那。麗しき悲劇の ヒロイン。
今一度云わせてもらうよ。俺は旦那のこと愛しちゃってるの。旦那が欲しくて欲しくてたまらないの。俺ならあの悪魔よりも上手に旦那を愛してあげれる。ずっとずっと一緒にいて あげれるよ。だから、この手を取って共に踊ってはくれませんか?
(何の為に?そんなの決まってるでしょ?愛しくて哀れな旦那の為に捧げる俺からのささやかな祝福の 為に、ね!)





あいしているとつたえますたとえ、あなたが神にうらぎられても わたしだけは)(20110220)