自分の命を削る意味、本当に理解してる?守るべきものの本質が見えてる?甘ったるい綺麗事を云いたいのなら好きなだけ云えばいいよ。好きなだけ紡げばいい。だって、僕は知ってるもの。痛みを知らない、恐れを知らない、覚悟が足りない。お姉ちゃんの言葉は何も害さないってこと。でもね、だからこその『神子』なんだってことも。白いからこそ何色にも染まるし何色にも染まらない。いつまでたってもお姉ちゃんだけが綺麗なままでいられるんだ。貴女は守るって簡単に云えるけれども、ねぇ お姉ちゃん。貴女の信じる正義が、行動が、何を犠牲にして成り立っているのか分かってる?本当に 分かろうとしている?貴女の瞳に映ってるものは 何?貴女の願いは誰の 為?知ってた?お姉ちゃんの言葉が、言動が、どれだけ皆を僕を苦しめてるかなんて きっと 貴女は分からないんだろうな(それでも貴女は赦されてしまう。ずるいね。お姉ちゃんを甘受する世界はどこまでいっても 美しいままなんだろうね?)。ねぇ お姉ちゃん。『神子』としての貴女の選択を万人が受け入れてくれると勘違いしないほうがいい。この世界においての最たる 異質。それが『神子』である貴女自身なんだって忘れちゃ駄目だよ。貴女は優しい人だ。その優しさが貴女の武器であることを僕は知ってる。貴女を嫌う僕自身もね、そんな貴女の与えてくれる優しさは好きだよ。だからこそ 伝えたい。その優しさで僕の哀しみを察してよって ね。ねぇ お姉ちゃん。砂糖菓子の国で育ったお姫様の瞳は永遠に 冷めないままなんだって。何も知らないからこそ何でも出来る。その無茶苦茶な行動に周囲が振りまわされてることに気づかないまま、お姫様は美しい夢を求めて彷徨うんだ。お姫様の夢の為に犠牲になった人々の痛みを理解しないままに。そして 最後は何故かハッピーエンド。お姫様だけが倖せになれるんだって。可笑しな話だね。滑稽で残酷すぎて笑えやしないでしょ?でもね それって誰かに似ていると想わない?ねぇ お姉ちゃん。真実を知らない、知ろうともしない貴女の願いと引き換えに僕等は喪失するよ。貴女の望む未来に僕等はいない。それでも選ぶと云うの?僕等の願う未来を貴女は望まない。それでも、守ると 云えるの?
喪失中毒(崇とゆき 20110505) |