「良守いらないんならさ、俺に頂戴よ 時音ちゃん
考えたんだけど、さ。君が居る限り、良守は命を粗末にするよ。自暴自棄になっている訳じゃないけど、君を『守る』ことが、今の良守にとって意味のあることで、一番優先すべきことなんだよね。それじゃあ、君も、俺も、お互いに困るでしょ?だからさ、君が居なくなれば良守は自分を、自分の命を、大切にすると想うんだ。自分を『守る』ことを、覚えると想うんだ。俺にとって、あいつが一番大切だからね。大切なものを『守る』為にさ。いつか、本当に、君を、殺してしまうかもしれない、よ?」
例えばそれが現実に起こったとして。そんな結末を望む俺を、勿論、君は赦してくれるよ、ね?と。端整なそれに笑みを貼り付けたまま自分を脅迫する彼の人の言の葉は、なんと、歪なまでに美しするのだろう!その瞬間、正守の狂気に伝染された時音は、狂った世界の狂った羅列に 酔いしれてしまった。





あなたの正義がわたしを染める(20091221)