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桔平の色は罪だと、想う。誰も彼もを惹きつける華やかさと眩さから見るもの全てを簡単に魅了してしまうからだ。自分もまたその中の一人であることを棚に上げて、あの金の髪を忌々しく想う感情が嫉妬に似ているなど、と一度でも想い描いてしまったが最後。不可解な自分を千歳は恥じたがそれも瞬間的なもので、親友に向ける感情とはあまりにも懸け離れた情が異常であることを熟知しながら、だから何だというのだと逆に開き直ってしまった。いっそ、憎らしい。桔平の意識を奪う全てのものを、桔平を輝かせるあの色彩を排除してしまいたい。恐ろしいかな、独占欲とは凄まじいもので。右目の負傷という転機経てさえも生まれてはじめて経験する粘着めいた執着に終止符は・・・・・打たれなかった。むしろ、決定的になったと云っても過言では ない。
それからというもの。千歳が憎らしさを覚えたあの色を、桔平は簡単に捨ててしまった。まるでけじめであるかのように、華やかな桔平に不似合いな色彩を背負っている。それに安堵を覚えながらも少しだけ残念に想うのは、もう一度だけあの美しい色彩に魅了されるがまま、瞳を細めたいからなのかも しれない。
あのひにきえた いろ(私の執着が君を変える)(20091231)