ロイドはゼロスの嫌悪する赤い髪を好ましく想っている。けれども。当の本人であるゼロスは、いつもなら嬉々として受け入れるそんなロイドの好意を「ロイド君の言葉は嬉しいけど、俺様の髪は綺麗なんてほど遠い醜い色だよ。この髪も俺様も醜さを観賞される為に生まれてきたようなものなんだよ。」と突き放すのものだから「とっても綺麗なのに、本当に勿体無いなぁ」とついつい本音が零れてしまうのだ。いつもなら愛しさと恋しさのあまり、熱に浮かされたようにロイドに依存し執着しきってしまうゼロスではあるが「綺麗なものはどんなに汚れたって綺麗だ」と云い切るあばらの浮いた線の薄い子供が、こんな時だけは只管に 憎らしくてならない。(この愛を、矛盾という名で壊せるか)





近付きすぎない臆病さ(20100111)
thanks / リラと満月