「アホノ坂田サン アナタコノママジャ一生嫁ナンテ貰エナイネ」
ぐうたらだし、家賃の前倒しを何度したか分らないほどだし、数えればきりがないほどに駄目なところだらけで本当にどうしようにもない男だ、と。呆れ交じりの溜息を零すたびに女の頭上でピクリピクリと微かに反応する猫耳が何ともくすぐったいのだと、銀時はらしくもなくいじらしい様な愛しい様な奇妙な感情に支配される自分を自覚し焦りつつも魅せられているなとだらしなく開いた唇が緩んでしまう(ぼろくそ貶す癖して最後にはいつだって肯定するんだよなこの女は。なんつぅか 可愛いじゃあねぇか)「坂田サンノ未来ハ オ先真ッ暗デスネ」と言葉を切る女に「ならさ あんたが面倒見てよ」と返す言葉の気安さ。
呆気にとられてさっきまで吐いていた毒を飲み込む女を尻目に多分、きっと、今の自分は呆れるくらいに上手く笑えているはずだ。
たまにはさ だれかをいとしいっておもえるひがあってもいいよね(20100119)