酷い女とは自分のような人間のことを指し示すのではないだろうか。ルークを選べないどころかアッシュを忘れられない不誠実な女。どっちつかずのままずるずると答えを先延ばしにした挙句の果てに、結局は答えを放棄してしまった女を世間一般で云われるような『酷い女』と呼ぶのだろうかと考える。ナタリアは女に振り回され続けた可哀想な男を想う。綺麗なものしか受け入れない少女の時間はいつだって残酷で、それ故に、今頃になって「倖せだったよ」と微笑むその笑みの向こう側で幾度となく涙を殺した彼等という人間をこんなにも恋しいと想える自分を只管に 殺したくなるのだ。(あの日に還りたい。泣きたい彼らを抱きしめることすら出来なかった無力な私の首を絞め否定し続けてきた自分の愚かさを弱さを露呈すればあの日の彼等は私から解放されたのかしら?あの日の彼等は違う道を望めたのかしら?ご都合主義のエゴであの日の彼等を 救えたのかしら?)
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いつだって 女は彼等の英断を無碍にする(20100120)