泣かせたい 衝動。誰も彼もに好かれるあの人の姿を見かけるたびに、土方は誰も彼にも好かれるあの人を支配したい(泣かせたい)衝動に駆られ腹の底がどうしようにもなく疼く。自分だけを見つめていて欲しい。いつでも自分のことだけを考えていて欲しい。自分の為だけの愛が欲しいなど と。純潔を捧げようとする乙女のようなそれは滑稽なまでに自分に不似合いすぎることなど理解しているが感情を殺すことなど最早不可能であることも熟知している。だからこそ、自分しか知らないあの人の姿を手に入れたい。人好きのする笑顔ではなく恐怖に強張ったそれが見たい。労わり慈しむような眼差しではなく驚愕に瞳を見開くそんな姿が見たい。甘い言葉を求めようとは想わないから(それこそ叶う筈のない夢物語を恋い慕うようなものなのだから)甘い吐息を感じさせて欲しい。信頼を崩したい。友情を破壊したい。絆というの名の美しい関係を変革したい。ただ ただ、泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせたい。泣かせて善がる姿が 見たい。誰に瞳に触れることの出来ぬ檻に未来永劫あの人を閉じ込めてしまいたい。鮮烈であり強烈である支配欲は土方を土方の髄脳を心地よく狂わせて ゆく。
あの人のあられもない姿を想い描きながら吸っては吐き出すことを繰り返す生温い吐息は生臭く雄臭い。肌で感じる温度が上昇している。熱い。燃えるように悶えるように身体の芯から求めている。四六時中あの人を欲してやまず発情している自分を自覚し、仄暗い劣情が身を焦がし尽くしこのまま発狂しそうだと僅かばかり唇を歪める。このままでは近いうちに間違いなく心臓は停止するだろう。あの人を想うだけで機能を果たせない臓器など不要なのかもしれない。いっそ あの人を穢し続ける浅ましい欲求と共に消えてなくなってしまえばいいのかもしれない。呼吸をする欲求と同等レベルのまま「愛している」と囁きそうになる衝動を必死に飲み込んであの人を呼ぶ。「トシ」と笑顔を浮かべるあの人の信頼を土方の底辺にある欲望は今日もまたことごとく 裏切り続けている。





貴方の名 愛の名(20100129)